「立春朝搾り」、ピリピリしているのは搾りたての証拠。
立春の4日、日が昇る前に搾り上げた生原酒をその日のうちに消費者の元に届ける「立春朝搾り」が全国の40蔵元で行われた。庄内地域では鶴岡市大山三丁目の加藤嘉八郎酒造(加藤有造社長)で仕込んだ限定酒が日本名門酒会加盟の酒販店を通じて販売された。
搾りたてのフレッシュな新酒を楽しんでもらうとともに、おいしい酒で新しい春を迎えようと、同名門酒会が毎年行っている。県内の参加は加藤嘉八郎酒造と寒河江市の千代寿虎屋の2蔵元。加藤嘉八郎酒造では、県産美山錦を麹(こうじ)米に、昨年末から仕込みを開始。精米歩合50%で純米吟醸酒に醸造した。出荷数は720ミリリットル詰めが4778本、1・8リットル詰めが1887本で、前年比約8%の増加。
新酒の搾りは前日の午後9時ごろから始まり、4日の午前3時半ごろまで続いた。同6時すぎには同名門酒会の地元加盟店関係者が集まり、蔵元の関係者など合わせて約30人で「立春朝搾り」のラベルを瓶に貼り付け。その後、同市の荘内神社に移動し、蔵元、酒販店、消費者の無病息災、商売繁盛、家内安全を祈願。おはらいを受け清められた縁起の良い生新酒は、各酒販店を通じてその日のうちに販売された。
同酒造の杜氏(とうじ)・志田潔さん(57)は「りんとした美山錦の特徴を感じさせる出来に仕上がり、ほっとしている。ピリピリしているのは搾りたての証拠。日に日に上品な甘味も増してくるので、そうした変化も楽しんでもらえれば」と話した。
※いいですね。